プロダクトデザイン 試作の素材
ブログをさぼってしまいました。
この一ヶ月何をしてたのかと言いますと、基本的に試作を作っていました。プロダクトデザインに関わられてる方はご存知だと思いますが、試作はデザインのプロセスの中でもかなり重要な作業です。もしかするとスケッチよりも重要かも?今日はその素材について書きたいと思います。
試作(スケールモデル)で特に有名なのは、日産のMURANOのCMにもあった、粘土(インダストリアルクレイと言います)による造形モデルです。デザインを1/1のスケールで見て、造形的に機能的に不具合が無いかをチェックするためのモノです。
自動車の試作には一般的に使われていますが、インダストリアルクレイは高価な為もっと小規模のモノの試作にはあまり使われません。盛り方向(粘土を盛って形状を作る)場合には多少使われますが。
試作と言っても色々ですが、例えば携帯電話やマウスなど「手で持つ物」のデザインプロセスの中で、「握り心地をチェックする」工程があった場合、僕らはそれを自分達で削ります。素材はスタイロフォームという断熱材です。特徴は水色な所くらいです。
ホームセンターに行けば売っています。1800×900×50(mm)で二千円しないくらいですので、結構安価です。マウスだったら何台削りだせるか?そう考えるとコストパフォーマンスはいいと思います。少し大きな物(例えば加湿器とか)を試作をする場合は大体これです。おおまかなボリュームとか造形の基礎段階を見るのにはいいと思います。
その次に上がる素材としてはケミカルウッドというものがあります。これは木材の粉を樹脂で固めたものです。これには番手があってその番手の細かさで値段が違います。
手でもがんばれば削れますが、NC切削器(3Dデータで切削する機械)で使われる事が多いです。スタイロフォームよりも硬くて形状がしっかり出るので、造形の細かい意匠をチェックするのにいいと思います。
あと、硬質発泡ウレタンというのがあります。スタイロフォームに近いのですが、もっと粉が細かくて白いものです。
こちらの方が形はしっかり出ますが、高価です。これで切削してパテで穴埋めして研磨して仕上げてという事もやったりします。あんまり売ってないんですが。これは手でも削れますし、切削器にも使えます。
あとはもっと硬い素材としてABSがあります。独特の色をしています。画像がありませんが、一般的には黄色くてちょっと粘り気のある(ネバネバしているわけではありませんが)プラスチックです。最近は色んな色のモノが出てるようで、NC切削もできるのでその仕上げたい色のABSで切削して磨けばある程度いい具合の試作ができると思います。薄くてデリケートな箇所の切削もこういうモノを使ったりします。
あとはアクリル樹脂です。特色としては透明で、硬いことです。切削すれば表面がすりガラスみたいになるので、研磨の作業が発生します。紙やすりなどで磨いていくと表面がピカピカになります。でもとても高価なので、個人でこれを試作に使う人はほぼいないと思います。透明なパーツを作る時には必要だと思いますが。
あっ、あと板物ではスチレンボードやプラダンってのがあります。スチレンボードはスチレンを紙でサンドされたもので、建築やインテリアの模型などを使う時にも用いられます。プラダンはもっと安い素材で、段ボールと同じ断面のプラスチックの板です。軽くてまぁまぁ丈夫なので、板(平面)が多く出てくる模型にはコレがいいんじゃないでしょうか?僕の中ではこの二つは「仮想合板」です。
手作りの試作はだいたいこのような素材で作られます。試作屋さんに行けば本当はもっと色々あると思いますが、自分で何とか出来そうなのはこのあたりの素材です。特にスタイロや、ケミカルウッドはよく使われていますし、自分も今使ってます。
今手元に無いのですが、また追々セルフスタディで試作した物もお見せできればいいなぁと思います。
この一ヶ月何をしてたのかと言いますと、基本的に試作を作っていました。プロダクトデザインに関わられてる方はご存知だと思いますが、試作はデザインのプロセスの中でもかなり重要な作業です。もしかするとスケッチよりも重要かも?今日はその素材について書きたいと思います。
試作(スケールモデル)で特に有名なのは、日産のMURANOのCMにもあった、粘土(インダストリアルクレイと言います)による造形モデルです。デザインを1/1のスケールで見て、造形的に機能的に不具合が無いかをチェックするためのモノです。
自動車の試作には一般的に使われていますが、インダストリアルクレイは高価な為もっと小規模のモノの試作にはあまり使われません。盛り方向(粘土を盛って形状を作る)場合には多少使われますが。
試作と言っても色々ですが、例えば携帯電話やマウスなど「手で持つ物」のデザインプロセスの中で、「握り心地をチェックする」工程があった場合、僕らはそれを自分達で削ります。素材はスタイロフォームという断熱材です。特徴は水色な所くらいです。
ホームセンターに行けば売っています。1800×900×50(mm)で二千円しないくらいですので、結構安価です。マウスだったら何台削りだせるか?そう考えるとコストパフォーマンスはいいと思います。少し大きな物(例えば加湿器とか)を試作をする場合は大体これです。おおまかなボリュームとか造形の基礎段階を見るのにはいいと思います。
その次に上がる素材としてはケミカルウッドというものがあります。これは木材の粉を樹脂で固めたものです。これには番手があってその番手の細かさで値段が違います。
手でもがんばれば削れますが、NC切削器(3Dデータで切削する機械)で使われる事が多いです。スタイロフォームよりも硬くて形状がしっかり出るので、造形の細かい意匠をチェックするのにいいと思います。
あと、硬質発泡ウレタンというのがあります。スタイロフォームに近いのですが、もっと粉が細かくて白いものです。
こちらの方が形はしっかり出ますが、高価です。これで切削してパテで穴埋めして研磨して仕上げてという事もやったりします。あんまり売ってないんですが。これは手でも削れますし、切削器にも使えます。
あとはもっと硬い素材としてABSがあります。独特の色をしています。画像がありませんが、一般的には黄色くてちょっと粘り気のある(ネバネバしているわけではありませんが)プラスチックです。最近は色んな色のモノが出てるようで、NC切削もできるのでその仕上げたい色のABSで切削して磨けばある程度いい具合の試作ができると思います。薄くてデリケートな箇所の切削もこういうモノを使ったりします。
あとはアクリル樹脂です。特色としては透明で、硬いことです。切削すれば表面がすりガラスみたいになるので、研磨の作業が発生します。紙やすりなどで磨いていくと表面がピカピカになります。でもとても高価なので、個人でこれを試作に使う人はほぼいないと思います。透明なパーツを作る時には必要だと思いますが。
あっ、あと板物ではスチレンボードやプラダンってのがあります。スチレンボードはスチレンを紙でサンドされたもので、建築やインテリアの模型などを使う時にも用いられます。プラダンはもっと安い素材で、段ボールと同じ断面のプラスチックの板です。軽くてまぁまぁ丈夫なので、板(平面)が多く出てくる模型にはコレがいいんじゃないでしょうか?僕の中ではこの二つは「仮想合板」です。
手作りの試作はだいたいこのような素材で作られます。試作屋さんに行けば本当はもっと色々あると思いますが、自分で何とか出来そうなのはこのあたりの素材です。特にスタイロや、ケミカルウッドはよく使われていますし、自分も今使ってます。
今手元に無いのですが、また追々セルフスタディで試作した物もお見せできればいいなぁと思います。
by kairi-eguchi
| 2010-03-24 09:58
| デザイン